車両位置管理を行うことができる、スマートデバイスアプリとNFCタグを利用したシステムです。
広大なフィールドに一時的に保管されている数千台の自動車の屋内と屋外の車両位置検知をシームレスに実現しました。
特定フィールド内車両位置管理システム概要
- フィールド内にある全ての自動車の運転席周りに、NFCタグ(※1:以下タグ)を貼り付けます。
- 運転手は、車を移動した後スマートデバイス(※2)でNFCを読み取ります。
- スマートデバイスのアプリと連動し、NFCのIDとスマートデバイスの位置情報をサーバに送信します。
- GPSが使えない場所では、Beacon(ビーコン)(※3)という「電波を出して場所を知らせる装置」を利用し位置情報を取得します。屋内測位が可能です。
- サーバ上で、集まったデータをフィールドイメージ上でマッピング処理し、WEBを利用し各所で確認が可能です。
特定フィールド内車両位置管理システムの特徴
屋内と屋外の位置検知をシームレスに実現
- Beacon(ビーコン)の電波強度および衛星測位の精度のバランスをエリア毎に細かく設定が可能です。
- ユーザーは車輛が屋内/屋外にあるかを意識することなく単一の操作で車輛位置の登録・検索が可能です。
スマートフォンの活用
乗用車程度の大きさであれば、スマートフォンの精度で十分に位置管理が可能です。屋外では『位置測位機能』、屋内では、『Bluetooth通信機能』を利用して位置管理をおこないます。
スマートフォンでの位置測位
多くのスマートフォンでは、標準で位置測位機能を持っています。主に、下記の方法を利用しています。
- GPS等衛星からの電波による位置測位(GNSS)
- キャリア基地局からの電波による位置測位
スマートフォンでのBeacon(ビーコン)電波受信
多くのスマートフォンでは、標準でBluetooth通信機能を持っています。
Bluetooth通信機能をもつスマートフォンでは、BluetoothLowEnergy(BLE)方式(※5)のビーコンの電波を受信することができます。
- 事前にBeacon(ビーコン)のIDと場所を関連づけることで、ビーコン電波を受信したスマートフォンの位置を特定することが可能となります。
操作が簡単
- 屋内・屋外同一操作で登録作業負荷をできる限り軽減が可能です。
- 簡単操作の為、特別なデータ登録者は不要です。
車両移動者=データ登録者として運用が可能となります。
低コスト導入
- タグは、安価なパッシブタイプ(※4)を利用することで、コストの削減が可能です。
- スマートデバイスには、Androidスマートフォン等安価で高性能な市販品の利用が可能です。
特定フィールド内車両位置管理システムの期待できる導入効果
- 「さがす」時間の無駄を減らすことで本来の業務に集中でき、作業効率・品質が向上します。
- スマートフォンの画面上で車輌情報を直感で確認可能な為、特別なトレーニングが不要になります。
- 作業内容をリアルタイムで情報共有することで、利便性が大きく向上します。
特定フィールド内車両位置管理システムの画面イメージ
車両位置一覧(Web)
各車両の最終駐車位置を表示します。入庫から出庫までの移動履歴の表示が可能です。
車両位置GPSマップ(Web)
車両の位置をMap上に表示します。
車両位置登録(Androidフォン)
Androidのスマートフォンで、車両位置を登録しますので、操作が簡単です。
車両保管状況(Androidフォン)
Androidのスマートフォンで、車両の保管状況をマップで表示することが可能です。
車両保管位置(Androidフォン)
Androidのスマートフォンで、車両の保管位置を検索することができます。該当車両の位置をすばやく把握することが可能です。
特定フィールド内車両位置管理システムのよくある質問
- Q.位置精度(誤差)はどの程度ですか?
- A.空が見渡せるところであれば、最大で3~4m程度です。
車両が密集している場合、1台の位置は特定できなくても約9台の中には探したい車両が入っているという運用になります。
- Q.建物の中に管理している車両もあり、GPSが使えないと思うのですが?
- A.GPSが使えない場所、例えば建物の中や二階建て駐車場の一階などでは Beacon(ビーコン)といわれる電波を出して場所を知らせる装置を利用し屋内位置情報を取得します。
GPSが使える場所とも違和感なく同じように連動できます。
- 【 Beacon(ビーコン)の利用例】
広大な駐車スペースをブロック単位に分け(上図エリアA、B、C)、そのスペース内を網羅できるようにビーコンを設置します。
そのスペース内にタグを貼付した車両を置き、スマートフォンで位置管理を行います。
(※車両に貼付するタグは、バーコードでの運用も可能です。)
- Q.NFCタグの費用が大きなものになりそうに思いますが?
- A.基本的には、タグを使い捨てた方が運用の負荷が小さくなります。この場合、車両1台あたり 1枚数十円のNFCタグが必要です。
どうしてもその費用を抑えたい場合は、NFCタグをリユースすることでタグのコストを限りなく0に近づけることが可能です。
- Q.NFCタグはどこに取り付けますか?
- A.フロントガラスに外側からシールラベル形状のタグを貼る方が運用の負荷が小さくなります。
フロントガラス内側やダッシュボードなどでも運用可能です。
風雨や日光に長時間さらされる可能性がある場合は劣化防止対策が必要となり、タグのコストがアップします。
リユースする場合は、シールラベル形状以外の方法で運用します。
- Q.現在車両にバーコードを付けて管理しているのですが?
- A.NFCタグを付ける代わりにバーコードをスマホで読ませることで同じように位置の管理が可能ですが、NFCタグを読む場合と比べて作業担当者の運用負荷が少し大きくなります。
- Q.NFCリーダが付いたAndroidのスマホではなく、iPhoneでも使えますか?
- A.現在、iPhoneアプリを準備していませんので、新規開発となります。
NFCタグの読み取りには、iPhoneとBluetoothで接続できるNFCリーダがありますので、そちらを使用いたします。
※1:NFCタグ…「かざす」だけで誰でも簡単にデータ通信が可能になる、通信距離10cm程度の近距離無線通信タグ。Near Field Communicationの略。
※2:スマートデバイス…スマートフォンやタブレット端末などあらゆる用途に仕様可能な多機能端末。
Androidスマートフォン、iPhone、iPadなど。
※3:ビーコン…Beacon(ビーコン)とは、低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」(BLE)を利用した新しい位置特定技術、また、その技術を利用したデバイスです。
定期的に電波を発信する仕組み・装置です。
【Beacon(ビーコン)のその他利用例】
◎Beaconも収集するスマートデバイスも移動しながら位置情報を取得する
特定フィールド内運動者健康サポートシステム
◎Beaconは移動し、収集するスマートデバイスは定位置で位置情報を取得する
登降園・登下校管理システム
※4:パッシブタイプ…電池/電源の無いもの
※5:BluetoothLowEnergy…低消費電力版Bluetooth
特定フィールド内車両位置管理システムの導入事例
株式会社ホンダカーズ横浜 様
システムへのご要望
常時2000台程度の自動車が保管されている特定エリア内でできるだけ精度良く位置管理を行いたい。
2014年12月より実運用を開始
屋外ではGPS、屋内駐車場ビルではBeacon(ビーコン)(※3)約300台を利用し、車両位置を管理しています。
優しい操作性で導入直後より車両位置管理業務の効率を向上されています。
株式会社ホンダカーズ横浜 様 導入事例詳細ページ